冬の色
九段下で
地下鉄を下り
早朝の街に出てみた。
もう師走に入っていた。
九段坂の途中で
皇居の堀が見えた
木々の紅葉がまだ残っている
銀杏の落ち葉と
堀の水
混ざりあって、静かにさざめく。
千鳥ヶ淵まで歩いたところで
陽ざしが少し潤んでくる
淡い紅
もしくは橙だろうか
淵の水の上を
鴨が二羽
懸命に進んでいく
つがいかもしれない
離別かもしれない。
たくさんの裸木の間から
陽が、見えそうで
隠れる
紅はやがてその恥じらいを
ぼかすと
水面に
無意識をそっと零した。
コメント
全体に 冬の色や空気感が出てますね、関東の冬。
最終連が好きです。
特に
紅はやがてその恥じらいを
ぼかすと
水面に
無意識をそっと零した。
というのが、とても好き。最後の二行なんともいいです。
写真も絶妙！
空に枯れ葉の残る枝が走っているところとか水面に映る橙とか曇り具合とか。
何度か散歩したことのある歴史を感じるコースだなと思いながら
読んでいましたが、終連のエリアはイギリス大使館の前あたりの
公園になるのでしょうか。江戸から続く近代史を感じさせる場所。
たくさん詩が書けそうですね。素敵でした。
写真は靖国通りのあたりからになりますか。
私も最後の4行が良いなと思いました。
長谷川さんのお散歩詩、そして嗚呼、最終連！素敵。
いつもながら良い色を撮られますね。スマホだとしたらとてもお上手です。
水面に
無意識をそっと零した
やはりここでしょうね。良すぎて溜息がでました。
@こしごえ
こしごえさん、東京は年末から好天に恵まれました。師走の、土曜日の早朝でしたが、皇居に沿って歩いてみました。空の色合いが微妙でしたね。…最後の二行、迷ったのですが、「無意識」という言葉を入れてみました。
@足立らどみ
足立さん、写真は、千鳥ヶ淵です。日本武道館の少し先の道を左に折れて、千鳥ヶ淵から、内堀通りに出、半蔵門まで歩きました。イギリス大使館の前も通りました。普段は交通量の多い通りですが、土曜日の早朝でしたので、閑散としていましたね。
@たかぼ
たかぼさん、ありがとうございます。空が微妙な色合いでした。スマートフォンで写真を撮りつつ、堀に沿って歩いてみました。
@あぶくも
あぶくもさん、散歩詩人であります。(^^;)
今回は、皇居周辺を歩いてみました。早朝散策が好きです。朝の街に惹かれます。…夕暮れの街も好きですね。
@nonya
nonyaさん、スマートフォンで撮りました。最近は、スマホも性能がよくなってきましたので、きれいに撮れます。「無意識」は、迷いつつ、表現してみました。nonyaさんの写真詩も、興味深いです！
描写を淡々と
全てを淡々と
集中力が増してゆく感覚です
@那津na2
那津さん、街の風景を詩の言葉で表現するのが好きで、これまでもいろいろ書いてきました。淡々と、という部分を汲んでくださり、嬉しく思います。そうなんです。…淡々と。