情々

まったく光の見えなかった私に
そっと手を差し伸べて
手をつなぎながら一緒に歩いてくれた
そんな貴方を失った私は
これからどうやって道を歩めばいいの

あまりに寒くて凍えていた私に
そっと声をかけて
抱きしめてぬくもりを分けてくれた
そんな貴方を失った私は
これから冬をどうやって過ごせばいいの

あまりに苦しくて泣いていた私に
そっと笑顔を見せて
「私がいます、元気出して」と言ってくれた
そんな貴方を失った私は
これから毎日をどうやって乗り越えればいいの

貴方は温かかった
まるで陽だまりのように
貴方は優しかった
まるで春の風のように
貴方は時に怖かった
まるで大きな空のように

貴方は温かかった
私は温かさに安らいだ
貴方は優しかった
私は優しさに涙した
貴方は時に怖かった
私はそのたびに謝った

そんな貴方を失った

あまりに恋しくてはち切れそうな痛みは
誰にぶつけるでもなく心にとどまり
いつも思考を荒らしていく

この気持ちを伝えたい
でも
貴方はもういない

ありがとう

それと

さようなら

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