聞く
古の人が言った こんにちはを
私は聞いた
お日さまの光に、
青葉のそよぎに、
蜩の歌に、
私は聞いた
古の人が言った さようならを
私は聞いた
お月さまの光に、
通り過ぎるそよ風に、
こおろぎの歌に、
私は聞いた
古の人が言った 愛してるを
私は聞いた
朝の光に
うっとりとして
最後を思うと
古の人は
私になり
あさっての方向から
ありがとうと
あいさつが聞こえる
手と手は結ばれて
いずれ
わかりあえる日が来ると信じる
もしくは
別れることになろうともその時は
お互いに沈黙をして
手と手をふりあう。
私たちは聞いた
太古の声を
この体の深奥に
よみがえる
この今を
聞く
コメント
古の人の声がそこかしこに漂っていて、それは八百万の神のように存在し、さながら私の一部にもなっていて、そんな私を通して見聞きして触れる世界の深遠さを思いました。好きな詩です。
@あぶくも
あぶくもさん コメントありがとうございます。
そうそう。ああ、あぶくもさんがこの詩の思いを汲んでくれて、そのようにすてきに読んでくれて嬉しくありがたいです。ありがとうさま。
うん、この詩では、古の人、と言っています。でも、もっと時間の範囲を広げれば、宇宙が生まれてから現在につながっているんですよね。
好きな詩と思ってくれたことを私に伝えてくれて とてもうれしいです。(笑)
全ての有機物や事象に歴史が刻まれている
風の香りにすら
それらを感じ取ることが
究極の役割かもと
思いました
@那津na2
那津さん コメントありがとうございます。
那津さんがこの詩から そのように思ってくれたことをありがたく思います、嬉しい。ありがとうさま。
うん。何かがありますよね、この宇宙世界には。まあこれは直感的にも言えるし、考えてみても言える事かもしれません。
那津さんが言ってくれた通り、全ての物事に歴史が刻まれているのだと私も思います。まあ、普段にこんなことばかり思っているわけではありませんが、ふとした時などに世界などを感じたりします。
役割、そうですね。世界のいろいろなことを感じ取ったりして、それらを詩にして書くのが詩人の役割なのでしょう。これからも そうして行きたいです。
コメント失礼いたします。
全体のリズム、といいますか、
例えば、耳に片手をそえていて、
言葉たちがそこに集約していくような、
いえ、きっと「聞く」からあふれでてきているのやも。
そんな想像に耽ってみました。
今おもいついたのですが、世界にそっと耳をすましている、そんなイメージも浮かびました。
深呼吸するような、素敵な時間をいただきました。
@ぺけねこ
ぺけねこさん コメントありがとうございます。
ぺけねこさんがこの詩を丁寧に読んでくれたのが ご感想から伝わってきます。丁寧に読んでくださいまして ありがとうさま。
そうですねえ。世界にそっと耳をすまして 聞く。いつもは何気ないことにも特別なことにも あんまり無関心な私です。←いけませんね。 でも、一人でいる時に 時々思うことをすると、いろんなことを思える時もあります。物事を聞くということは、広く考えると思うことにも通じます。聞いて思える楽しさを味わいたい。
ぺけねこさんにこの詩から 深呼吸するような、素敵な時間を届けられたことを嬉しくありがたく思います。とても良かった。