冬の日
灰色の気が天蓋を覆う
浸みる予感が街に滴り始める
慰めを網棚に忘れて来たので
私はむしろ憂いに濡らされようとする
夕べから闇が堪えきれずに湧き出し
黒色がどこからともなく溢れ零れる
私は光を失って久しいので
夜すら淡く輝いて見える
諍いと抗いに疲れ
優しい笑みは干からび
虚ろな声は聞き取る耳もなく
喉は凍え情けは十字架に掛け
襟を立て足早に仮面の人らは消えてゆき
足下の影はいつか黒々と降り頻るのだ
灰色の気が天蓋を覆う
浸みる予感が街に滴り始める
慰めを網棚に忘れて来たので
私はむしろ憂いに濡らされようとする
夕べから闇が堪えきれずに湧き出し
黒色がどこからともなく溢れ零れる
私は光を失って久しいので
夜すら淡く輝いて見える
諍いと抗いに疲れ
優しい笑みは干からび
虚ろな声は聞き取る耳もなく
喉は凍え情けは十字架に掛け
襟を立て足早に仮面の人らは消えてゆき
足下の影はいつか黒々と降り頻るのだ
会員でない方は会員登録してください。
コメント
冬の、厚い苦さが伝わってくるようなお作品でした。二連目、三連目に、それを強く感じます。光を失う。諍いと抗い。冬の光景に、社会を覆う陰鬱さを重ねている。…そんなふうにも読んでみたのですが。
@長谷川 忍
さん コメント、ありがとうございます。衝動的に詩を書きたい気分になって、職場からの帰宅電車内で数編書いたのですが(遠距離通勤なので書く時間が豊富にあります)、たまたまなんですが、冬の日に何らかの疎外感を抱いたせいで、すべて暗澹たる内容の詩となりまして、自宅に着く頃には軽い鬱を患っておりました…。まだまだ自分らしさというものを自分の書く詩に見出しておりません。試行錯誤はしばらく続くようです。