Life

古い風の吹く廃屋で
錆びた銀匙の膨らみから
一人で産まれた月
それが僕ら
夜は輝き
癒えなくても
この傷を眩しさで明かして
孤独は死んだ
亡骸を冬が食み
冷え切った指が這う痛みを
柔肌が春に変える
焚火を囲んだ影
いつか夢見た
太陽のない世界
秘密を抱いて僕らは踊る

投稿者

神奈川県

コメント

  1. 僕等の秘密はゆれる階段を、のぼる、スクリーンはいつもうすくひかり、てにふれるものは、蠱惑する、うしろむきの未来のように。

  2. 私の好きな詩の強度を持っている詩です。詩の空気感というのか。うん。
    特に
    孤独は死んだ
    亡骸を冬が食み
    というところが好きです。

  3. @坂本達雄
    秘密を秘密として抱えたまま、彼らは決して明かそうとしないでしょう。告白したいと願う心に惑わされ、苦しみながら、それだけがこの世で信じられる唯一の確かなものだと。

  4. @こしごえ
    有難うございます。詩も、読んでいく内に段々と好みが決まってきますよね。

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