男
仕事を終えた男はタバコに火つけて
小さく開けた窓から夜風を招き入れ
紫色の煙をふ~と口元からはき出し
窓際の夜景を眺め・・・
あ~今日も終わったかと
ため息を吐きながら
心の中で呟く
先程までのオフィスのざわめきが
懐かしくさえ思えてしまう一瞬
何故か・・・
窓から吹き込む夜風が冷たく
身体に染み渡るのを感じながら
人々の行き交う光景をボ~と眺める
やがて男は
オフィスを後にしバスに乗る
車窓から眺める青夜景が
心身を溶かすのを感じながら
一時の空間に酔いしれると
同時に・・・
何故か
人生の空しさと侘びしさを感じてしまう
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