ひさしぶりに
JR川崎駅で下車する
人出は多い

巷は
Christmas Eve

タクシーの列に並んでいると
どこからか
歌声が聴こえてくる
アコースティックギターの弾き語り
切なげなメロディーだ。

タクシー待ちの間
歌声を聴きつつ
駅前の光景を仰いだ。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
ひとり前に並んでいた年若い女性が
こちらに向き直った
濃い化粧の眼
その眼が、ふと空を仰ぐ
やがて
彼女がタクシーに乗ってしまうと
歌声が戻ってきた。

午後の日差しが
駅前を鋭敏に照らしている。

タクシーに乗る。

「…鋼管病院まで」

見舞うひとの眼を
もう、上手く想像できない。

車窓から
故郷の街を眺めた
懐かしさというより
拭えない苦さだ。

投稿者

東京都

コメント

  1. この詩を拝読して何故か 悲しい と感じました。でも、この悲しさはどこか優しい空気をまとっているようです。
    そして、眼 すてきな詩だと思います。

  2. @こしごえ
    こしごえさん、優しい空気、と言ってくださり、嬉しいです。年若い女性の眼を、今もはっきり想い出します。

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