春一番

肋骨の中で太鼓が鳴っている。
やってはならぬ
をやらんとするリズム。

構造自体は男子寮のそれとそう変わらない。
銀の丸いドアノブ。
ただし、香りが春。

木と金属とが擦れ合う音。
アンプに繋がれているのかと疑うほど
俺の部屋のより音がデカい。

やあ。
いらっしゃい。
ふふふ。

肋骨の中で花火が上がっている。
やってはならぬ
をやらんとするリズム。

構造自体は男子のそれとそう変わらない。
白肌の丸い肉。
ただし、全てが春。

肉と肉とが擦れ合う音。
この世界が二人のモノと疑うほど
外の音が聞こえない。

投稿者

神奈川県

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