砂時計
あなたのことが
だんだん見えてきて
眠れない夜を重ねている
私の知らないあなたが
指先の綺麗な人と
過ごしている写真
見えすぎて
しまうとき
知らない方が
よかったのかもしれない
気づかずに
つもっていった
あなたへの思いが
砂時計のように
そっと静かに
時を刻んでいた
私のひとりよがりだけど
あなたのことを思う時間が
好きだった
いつも話を聴いて
受け止めてくれていた
たぶん私は
あなたに甘えていたのでしょう
いつまでも続くと思っていた
あなたに会えば、元気になれて
こんな支えられ方は
初めてだった
私のために
私との時間
人はだんだん慣れて
そして欲張りになっていく
お互いの軌道が
少しずつ離れていることにも
気づかずに
いつのまにか
降り積もった粉雪が、
こんなに重いことに
やっと気づく
思ったより傷が深くて
少しのことで倒れそうになるから
今はそっとしておいて
ごめんね
私は不器用だから
たぶんさわやかにさよならはできない
本当はお礼を言いたいけれど
何も伝えないまま
フェイドアウトするのが
いいのかな
また新しい季節が巡ってくるように
そしていつしか時が傷を癒して
何事もなかったように
きっと歩き出している
コメント
コメント失礼いたします。
見えすぎて
しまうとき
ここに、惹かれます。
今では、ほんとに見えすぎてしまう時代で、もしかしたら、大切な想いも、それによって傷ついてしまうかもしれなくて。
ひとつひとつの砂時計。
その、ひとりひとりのかけがえのないもの。
そんなことが浮かびました。
温かいコメントありがとうございます。(しばらくサイトを見ておらず、気づくのが遅くなりました。)
おっしゃる通りで、インターネットを通して、相手のいろんなことが見えすぎてしまい、勝手に想像して傷ついたり、嫉妬したり、見えない方が幸せなのでは・・・と思うことがありました。
相手のことを知ろうとどんどん検索してしまう自分に、うしろめたさ不安を感じたり。でも、みんな同じようなことをしているのかもしれません。
こころがざわつくものを見て、初めて自分の気持ちに気づくこともあり、詩にすることで前に進めたようにも思います。
ひとりひとりの思いの砂時計、大切にしたいものです。
わたくしもコメント失礼致します。
この横センタリング(左右中央寄せ)で綴られます全体の各連の流れが
目に、タイトルと被って、ひとつの…小さな砂時計を見るかの様に効いて
いるなあ…と、まずは感じました。
まるで砂の落ちていく様子が目に浮かぶ…恋のドラマ性。そこにリアリティが
あって登場人物の心情へと、惹かれてしまいます。
読ませる作品と、言えるのではないでしょうか。力を感じます。すてき
です!!
拝読させていただきました感動を、今文章にすると上手く伝えられずに
非常にもどかしいのです。申し訳ございません。m(_ _)m
私の拙い詩に、お褒めの言葉を頂きまして、ありがとうございます。
皆さんのように言葉をうまく使っていろいろな表現ができないので、自分の中から出てくる言葉を、あまり飾らずにそのまま書いてみました。
詩としてはどうなのかと思われましたが、リアルさや同じような気持ちを経験した人に伝われば・・・と思いました。
センタリングすることで、砂時計のような形になっていること、自分でも気づきませんでした!確かにそういう形になっていて、隠し味みたいになっていますね(笑)
鋭いご指摘をありがとうございます。
もやもやしてどうしようもなく苦しい時、詩にすることで、気持ちを整理できたり、新たな気づきが生まれたり、少し前に進めたりすることがあり、これからも書き続けていきたいと思います。