性(さが)
女性は―一応 という
男は―必ず という
男は単純だから 必死で
愛を繋ぎとめようとする
―今しかその時はないのだ
そのように思うのは
彼が瞬時の快楽に酔う
ためでは必ずしもないのだ
彼は急いでいるのだ この
今という時間を すぐさま
永遠に変えたく思っている
それは男の性(さが)なのだ
一方女性は落ち着いている
こと愛となれば必ず一歩か
半歩下がって状況を見守る
それは計算では決してない
女性は常に受け身の姿勢で
彼を攻撃しているのだ
花は大きな力は持たないが
周囲の空気を新しくする
その開花が女性の性なのだ
新しく始めてゆこうとする
その発端に於いて 常に
過去の自分と較べているのだ
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