オリンピック最終回
たまたま生まれたのだ
理由を探しても見つからず
何者にもなれずにいつか死ぬだろう
生に意味はない、したがって、
おれの存在は無意味で無価値だと悟ったゆえに
おれは自由だった
おれをおれと呼ぶおれがおれである限り、
おれによるおれの定義は定義した瞬間に無効だ
定義後のおれは定義に含まれないからだ
存在理由というものはおれを拘束しない、したがって、
きみも拘束しない
友よ、おれはきみが受け取った贈り物ゆえにではなく、
きみからすでに奪われたものゆえにきみを愛している
おれは全能の神でもなく、
何でも知っている陰謀論者でもない
だからおれはおれ限定の思い込みに従って動く
おれがすべてを知るまでおれはバカのままだろう
おれがやることはすべて独善である
おれはそのことに意識的だ
ゆえにおれの独善は偽善でもある
そして、それゆえに
こわれそうな小さな手を力を込めて強く握る
おれが優越感に浸るための口実だろうか?
おれ以外のすべての他人を弱者とみなす
心理的な発明をおれはしたのだろうか
心底では軽蔑しているのでなければ他人を愛せない人間がいるとしたら、
おれはそれです、おれの親切心は公共サービスでしかない
愛を苦痛だと思っている、苦痛でしか自分を支配できない
ゆえに
サンタクロースが坊やだったおれにプレゼントを持ってくるのは
おれがいい子だからではなく、親が金持ちだからだと知ったときから
拳をぎゅっと握っている
きみの手を握るためにおれは一度
拳を開いた、その後
きみの手を握ったのはおれの自由だ
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