金色の時計を投げた日

今日で高校の
卒業式から三十年

あれから
僕は詩を書き始めた

思春期に砕けた
硝子の日記は
時を経て夕陽色に染まった

あのひとは今、元気だろうか

投稿者

東京都

コメント

  1. 特に、3連の情景などがすてきに こころに響いてきます。
    最終行の問いが、過去との対比で効いていますね。
    この詩は、題もかっこいいし、題と本文がうまく合わさって、いい味です。金色の時計と夕陽色とかね。
    そして、あれから詩を書き始めて今に至る剛さんの詩生活の歴史を尊く思います。

  2. 3連の表現が良いですね。私は次のように解釈しました。「思春期に砕けた」は「若かりし頃の失恋」、「硝子の日記」は「その頃の壊れやすい自分の心に刻まれた苦い思い出」、「時を経て夕陽色に染まった」は「30年という年月を経た今になってみると、その青春のほろ苦い思い出に頬が赤く染まるように少し気恥ずかしく思えたよ」、だから「あのひとは今元気だろうか」と冷静に振り返ることができたのだと。

  3. こしごえさん

    友に打ち明けるなら、昨日は僕にとって密かな節目の夜でした。

    言葉にならない思いが、各連にあります。

    詩生活という言葉を、ありがとうございます。

  4. たかぼさん

    あまりに若く、哀しく、切ない記憶を読みとって下さり、ありがとうございます。

    人にはそれぞれの歴史があり、時にふり返るのでしょう。

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