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歩けば足裏の痛くなる砂利道や
雨が降れば水たまりのできる凸凹した土の道が
好きだよ
都会の舗装された道よりも、ずっとさ
僕がむかし
子どもの頃に歩いていた道は
いつも、こんなだった
月の光が、皓々と白くて
安らかに眠っているきみの
ちょうど、手を組んでいる胸のあたりを
明るく照らしている
月がこんなに明るいってことも、忘れてた
星も空に
降るほどにいっぱいあって
それは、前からずっとそこにあったのだけれど
僕は新たな発見をした気分だ
そして、いま
月明かりに照らされた白い道に
エゾユキウサギがあらわれて
ひとしきり足跡をつけたあと
一人、ひっそりと藪のなかに入ってゆき
そのまま見えなくなる
長く青い夜が明け、朝が来たら
雪の上に残された
きみのイニシャルを見に行こう
そして隣に、僕の足跡も残してこよう
それはまるで
寄り添って一緒に歩いているかのよう
コメント
よりそうあしあとは、すでに、さんがつのおもいでになり、ゆきうさぎも、なつげであろうか、ほっかいどう、しぜんがうみだしたものへ、よりそうあした。
坂本さん、コメントありがとうございます。坂本さんの「よりそうあした」という言葉にじーんとしてしまいました。