夢うつつ

病が昂じて余命はもうないと言われてしまった
そういう言い方もあるのかと思い知った

怖さは当然あるものの私一人が死ぬだけのこと
この世に生まれたんだからいつかは死ぬさ

痛みを抑えているモルヒネのせいで意識が時折遠のく
再び目覚めては現実を思い知る

小さい頃死ぬ夢を見てお母さんに泣いて抱きついた
それが夢ではなく現実になってしまったね

でももういいような気がする
ねぇとお母さんに尋ねる

そうだねぇといない母は答える
部屋が翳っていく

もう私は夢うつつだ

投稿者

埼玉県

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