砂時計
時が永久に止まる
砂時計は天から飛出し
地に辿り着いた
砕け散ることを知らないで
砕けた砂時計は時を止めた
永久の静寂と刹那の感情
繰り返すことのない四季に思いをはせて
砂時計は砂をこぼすことやめる
そそがぬ光を照り返し
降らぬ雨に打たれて
吹かぬ風に吹かれながら
少しずつ砂時計は空を望まなくなる
時が動き出したとき
最初に照らされたのは
きらりと光るガラスの破片
輝きは七色の虹を浮かべ
動き出した時を祝福した
風に吹かれて小さな光の粒に
世界に光を散りばめながら
時を刻む砂となる
コメント
各連が美しく描写されていますね。
最終連が特に好きです。そして、
時を刻む砂となる
というところがとても美しい。
一行目の 時が永久に止まる というところにドキリとして、ああすごい表現だなあと感じました。すてき。
@こしごえ 様
終わりは唐突で,まるで時が止まったかのようといいます.しかし終わりは全ての始まりともいえると.次の世代は見えないところで,という思いもあり,そんな気持ちで,描いたと思います.
私のしの中に美しさを見出していただき,ありがとうございます.
時雨芳華 様へ
初めまして。はじめてコメントさせていただきます。よろしくお願いします。
拝読させて頂きまして、わたくしにはとても書けない、繊細な詩表現に感服致しました。慎ましやかで透明感のある、しなやかな描写だと感じます。
素敵な、作品だと思いました。
@リリー 様
お言葉ありがとうございます.壊れやすいものほど美しさを感じるこの頃でして,それが表現できていればと思っておりました.
細々と,想いのままに描いてまいります.