砂時計

時が永久に止まる

砂時計は天から飛出し
地に辿り着いた
砕け散ることを知らないで

砕けた砂時計は時を止めた
永久の静寂と刹那の感情
繰り返すことのない四季に思いをはせて
砂時計は砂をこぼすことやめる

そそがぬ光を照り返し
降らぬ雨に打たれて
吹かぬ風に吹かれながら
少しずつ砂時計は空を望まなくなる

時が動き出したとき
最初に照らされたのは
きらりと光るガラスの破片
輝きは七色の虹を浮かべ
動き出した時を祝福した

風に吹かれて小さな光の粒に
世界に光を散りばめながら
時を刻む砂となる

投稿者

コメント

  1. 各連が美しく描写されていますね。
    最終連が特に好きです。そして、
    時を刻む砂となる
    というところがとても美しい。
    一行目の 時が永久に止まる というところにドキリとして、ああすごい表現だなあと感じました。すてき。

  2. @こしごえ
    終わりは唐突で,まるで時が止まったかのようといいます.しかし終わりは全ての始まりともいえると.次の世代は見えないところで,という思いもあり,そんな気持ちで,描いたと思います.
    私のしの中に美しさを見出していただき,ありがとうございます.

  3. 時雨芳華 様へ

     初めまして。はじめてコメントさせていただきます。よろしくお願いします。
     拝読させて頂きまして、わたくしにはとても書けない、繊細な詩表現に感服致しました。慎ましやかで透明感のある、しなやかな描写だと感じます。
     素敵な、作品だと思いました。

  4. @リリー
    お言葉ありがとうございます.壊れやすいものほど美しさを感じるこの頃でして,それが表現できていればと思っておりました.
    細々と,想いのままに描いてまいります.

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