散歩道
京福電鉄嵐山本線が近くを走る
右京区のまちの中
名前も知らない小道を二人であるく昼下がり
金網の張ってある敷地に沿って
大型プランターが路端に並ぶ
主枝を伸ばし茂る葉と
溢れるほど実が成っているミニトマト
隣には茄子の紫
これはシシトウか青唐辛子のどちらだろう
その隣には胡瓜の緑
オクラの花は薄黄色
指先でちょこっと触れてみるミニトマトの赤
「とるなよ!」
同級生の彼が私へ浴びせた本気な声色
二人で進む小道には歩を止めてしまうものばかり
それは民家の軒下に並ぶ鉢植えの花
それは日が照りつける可愛らしい三輪車
それは古民家の軒先に置かれた睡蓮鉢
やがて進む正面が四条通
白く光って 小さく見えた小路横切るバスの車体
雑多なビルや駐輪場の路傍を歩く
歩調を合わせてくれる彼の腕を引き寄せて
ふたりは黙ったままで手をつなぐ
大通りまではまだもう少し
バス停まではまだもう少しある
彼の下宿先からの帰り道
コメント
リリーさんの詩には京都の街並み、風景が出てくるので、いつも楽しみに拝読させて頂いてます。学生時代、その辺(右京区太秦)に住んでましたので嵐電とか非常に懐かしいです。「帷子ノ辻」を読めるクチです(^^)
幸せそうなふたりの散歩道を想像しながらほんわかした気分になれました。
@あぶくも
あぶくも様へ
いつもお読みくださって、どうもありがとうございます。ご感想いただけて、たいへん嬉しいです。
わたくしも、学生時代を京都で過ごしました。詩を書きますと作品に京都を舞台にしたものが、多くなってしまいます。(^.^)
あぶくも様に楽しんでいただけました事、この作品を投稿して良かったと思います。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
情景が目に浮かぶようです。
@たかぼ
たかぼ様へ
そのように感じていただけましたことが、たいへん嬉しいです。(*^^*)
いくつか書きました恋の詩の中で、青春の思い出のワンシーンを、
そのまんまに描くことの出来た、自分で大切にしている一作であります。
今回もお読みくださって、どうもありがとうございました。
すてきな詩ですね。体温や息づかいを感じます。
@北野つづみ
北野つづみ様へ
お読みくださいまして、どうもありがとうございました。
ご感想をいただけましたことが、とても嬉しいです。
北野様の作品には、気持ちの引き寄せられる魅力を感じます。
これからも、北野様の作品に心触れさせて頂きたく思っております。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
リズムがとても良いですね
そこに、植物の色彩が入る
体言止めのように、すっきりと終わる
街並みを共に歩いているような気分に、軽やかになりました
@那津na2
那津様へ
今回もお読みくださりメッセージを頂けましたこと、とても、嬉しく思います。
そうなのです、前半部分は植物の色彩でリズム感をつよく意識しました。後半には
場面の展開で歩調を感じられますように。そして最後が、タイトルと重なってくるようにいたしました。(^^)
ご感想を、いただけましてどうもありがとうございました。
彼と私のすてきな散歩の様子がほんわかと穏やかで、この詩を拝読してこころが和みます。
そして、情景の描写の確かさに感心します。
@こしごえ
こしごえ 様へ
私の作品をお読みいただけたなんて、嬉しくて!…頂戴いたしました
ご感想のコメントへ、お返事を、今とても緊張して書いております。
作品を読みとって頂きまして、誠にありがとうございました。
わたくしは、まだまだ未熟者で筆を握れば表現力のいたらなさに
頭抱えてみたりして、苦しみながらも楽しんで書き続けております。
書くことと、働くこと、その生かされていることの全てが一体化
した日常において日々、精進していきたいと望んでいます。
今後も、こしごえ様の作品を是非、拝読させていただきたいと
思っております。
これからもどうか宜しくお願い致します。