三月
マフラー巻いて早足で歩くと汗ばむのに
カーディガンだけで信号待ちしてると肌寒い
そんな
三月の風に腰のあたりを撫でられながら
住宅街の隅の小さな公園のベンチで
悲しいふりして煙草をふかそう
東の空から
ロールシャッハテストの染みみたいな感じで
夜がじわじわと広がっていくよ
ほら
とてつもなく大きな黒アゲハが羽根を広げて
世界を包み込もうとしている
マフラーは明日燃やしてしまおう
カーディガンもゴミ箱行きだ
自分が死んだり
誰かを殺したりする
その代わりに
有り金ぜんぶ煙草に換えて吸い続けるんだ
この住宅街の隅の小さな公園のベンチで
コメント
”悲しいふりして煙草をふかそう”って、すごい好きです。描かれている情景が隣にいる感じがしました。
ロールシャッハテストって何を試されていたんだか、と自問しました、アイコンがピッタリはまっていて素敵
大覚アキラと三月という季節って、なんとなく合わない気がしましたが、煙草をふかしながら季節すら捨てる姿は期待通りでした。貧乏な若い頃、メシを買う金を煙草に使っていた自分のクソみたいな思い出が蘇りましたが、それも殺してくれました。
>たちまこちゃん
ほんとに悲しい時ってさ、悲しいと思ってる自分を客観的に見てしまって、なんか悲しまなきゃいけないような気になってしまうのよな。
>timoleonさん
ロールシャッハテストなんて、あれホントに意味あるんですかね(笑)
>トノモトさん
ぼくも大昔、電車に乗るか煙草を買うか迷った末に煙草を買って、真夜中の国道2号線を三宮から明石まで歩いて帰りました。