彼女はバイオリン
きっと気づいているはずです
彼女の持っている、はがねの円錐
セザンヌが絵の道具を背負って帰って来る
きっと雨の中
つぎつぎとあらわれる雨雲の暗い必然として
風景をすでにして、充填されたミッドナイト
甲羅を干すための、長襦袢するすると、ひそみたつ
バプテスマのヨハネが森林へと帰還する
眺望される音楽の都からの
駱駝の泪する、一ツ橋公園、ちゃりんこで
決裁の自堕落の包装紙が燃えているその時に
バイオリンが神楽を舞うと言う
どのようなしきたりが彼をおとずれるのか
スモモのようなコンクリートの馬車が行く
水仙の黄色い魂が、爆弾を搭載して、ウクライナへと飛ぶ
地理学院のオゾン層が破壊されつつあるときには
人々の叫喚する絶大な仮想空間から
甘い香りのバルトークがサツマイモの畑より呼ぶだろう
ああ、彼女はバイオリンです
冷たい気象台の屋外展望塔より
聞かせてください、甘鯛の煮つけのようにして
嫌われている音階のスタイリッシュとして
キスをする溶岩の噴出として
出来る限りのスマッシュ
コートの隅にうちこんで下さい
あるいはかの孔子のピストルのように
弟子たちを撃ち殺す時の
我々の忘れがたい思い出の
コンサート。
コメント
多色の世界をいったりきたりしました。
かの孔子のピストルって感じてみたいと思いました。
コメントありがとうございます。春ですので、少しはピストルが、花冷えしているかも。