春のハタビィ
彼の眼から悲しみなどをくみとるな
新しい暗黒の宇宙からの
辛辣な招待状が古都の庭園に届けられる
それを喜びとするな
しだれ桜の満開の夜
ピタゴラスのアイデアをアルミの眼球に留めるために
搾乳されたこれらのアンデスを
こだわりのヒヤシンスの仲間と呼ぼう
ためらうことなく、ひるがえされている
調教師たちの唇の色は
ダジキスタンの原野をかんばせとする
ほろにがい公衆ギガである
しぼみはじめたウルトラバルーン、しかも
去年のトマトから明日の実がなる
タクシーをとめてあらんかぎりのでまかせを言う
紡錘形のやさしいカラスたちが
スイングする、さらにアイデアをわたくしする
去来する彷徨犠打、去年からの踏襲残数、ポリエチレンのチャルメラ
パピルスの恋文
はてしなくもだえるわれらの関数図表
ああ、もう見てはいられない
ホボスのわたらせの、注意するホイッスルの
夾竹桃のささらさら
憤怒する蓄積の裸像はここにたむろする
春のはじらいの
激しく恋慕する
われらの香水は
慇懃に去ろうとする。
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