春のハタビィ

春のハタビィ

彼の眼から悲しみなどをくみとるな
新しい暗黒の宇宙からの
辛辣な招待状が古都の庭園に届けられる
それを喜びとするな
しだれ桜の満開の夜
ピタゴラスのアイデアをアルミの眼球に留めるために
搾乳されたこれらのアンデスを
こだわりのヒヤシンスの仲間と呼ぼう
ためらうことなく、ひるがえされている
調教師たちの唇の色は
ダジキスタンの原野をかんばせとする
ほろにがい公衆ギガである
しぼみはじめたウルトラバルーン、しかも
去年のトマトから明日の実がなる
タクシーをとめてあらんかぎりのでまかせを言う
紡錘形のやさしいカラスたちが
スイングする、さらにアイデアをわたくしする
去来する彷徨犠打、去年からの踏襲残数、ポリエチレンのチャルメラ
パピルスの恋文
はてしなくもだえるわれらの関数図表
ああ、もう見てはいられない
ホボスのわたらせの、注意するホイッスルの
夾竹桃のささらさら
憤怒する蓄積の裸像はここにたむろする
春のはじらいの
激しく恋慕する
われらの香水は
慇懃に去ろうとする。

投稿者

岡山県

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