
春の悪夢
髪を切り落とした
その人の手が
他の誰かの髪の毛を切り落とす
何故だろう
春になる度に僕らさ
小さくなっていく気がするよ
墓場からおはようを言ったかと思えば
もうすぐに帰らなきゃ
あわただしく荷物をまとめてさ
爪を切り落とした
その私の手が
誰かに噛み付いて離れない
春の妖精になったみたいに小路を行く
踏みにじられた花弁を
そっと拾う
春ばかりもてはやすから
春ばかりひいきするから
春ばかりがいつも賢いんだ
みんなに気に入られてさ
まるで
あなたのために生まれてきたよって
当たり前みたいに云うんだ
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