産毛
いつもの
光るばかりの休日
春風に綿毛が飛び交う
これ以上はびこらなくても
もう外の世界は
花でいっぱいだと俺は呆れる
植物だって魚だって
哺乳類だって昆虫だって
みんな孤独で寂しい
どれだけ肥え太っても
仲間を食べる程腹が減る
ひとだけが
神様と言って泣いて
救われたいが為に
今生にしがみつき
満足に死ぬことが出来ない
そんな世界の始まりこそ
絶望的なんだという気がする
影の中で見る光を
祈るそばから崩れていく希望
手のひらに夢を掬い
明日も笑っていますようにと
孤独から幸せを産む
愛と憎しみを望む
心
昔
感情が
芽生えないのは
もうじき死ぬからだと思っていた
まあそういうこともあるんだろうがな
多分欠落なんかじゃなかった
皆一人で狩りを覚える
それまでの易しい道のりだ
俺も君を殺す
友を玩具にして
好きなだけふざけて
遊んで
優しさで許して貰う
生きることを
最後まで諦めまい
呆れる程強く
俺は今予感がするんだよ
多分これからはずっとずっと同じように
いつだって
まだ正気でいたいなと願うだけで
苦しいんだ
言葉も分からなくなった俺を
きっと
君はもう好きにならない
愛することができない
下らないと笑う
下らないと笑われる
それでも
また春がやって来る
コメント
私は泥沼のなかから立ち上がる人生を書き綴っているつもりなのだけど
私には泥沼って凄く栄養があるんだなと気がついている後の物語りに
しかすきないかきかたになりかちでこんなに鮮やかに爽やかな読後感は、
なかなか表現できない
作者の足をひっぱるつもりはからっきしなくて
私もまだまだ頑張れるというかスタートします
@足立らどみ
有難うございます。
足立らどみさんの言葉は不思議で、コメントしていただけると嬉しいです。
春ですね。また一年、季節と共に言葉の変化を楽しんでいけたらと思います。
春は、命が溢れるから陰にある死がより浮き上がると思うのですよ。
光ばかりというのは反射ばかりとも捉えられてやたらとかたくなに感じるのでした。
@たちばなまこと
光が見える、ということは、
影が見える、ということ。
暖かくなってきて考えるのもいつもより楽しいです。
このかたくなさもいつか、
春のようにほどければいいな、と思いました。
有り難うございます。