少年
雨の止んだ朝
影を含んだ滴が
街路樹のてっぺんから
次第次第にころがって
葉っぱをかすかにはずませていた
背の高い少年が二人
昨夜みた夢の話か
声を低めてさわやかに微笑みながら
その下を通っていった
足許から呼吸のたびに這い上がる湿気
ふと 気になった
わたしの後ろ姿
冷たい背中をしてはいないか
からだの重い夜勤明け
新緑を仰いでみる
すれ違った少年のみた萌黄色とは
違っている筈の
みどりが唯 白っぽくなって
そこにひろがっていた
コメント
出だしの描写からもう素敵。そこから少年たち、私(の背中)へと思いを馳せ、それらが映える緑の対比によって心情が鮮やかに映し出されているように感じました。
@あぶくも 様へ
いつもお読みいただきまして、どうもありがとうございます!!
ご感想のコメントを寄せてくださって、とても嬉しいです。(o^^o)