ロマンティック・バスタード
点
として生まれ
毛
が生えたころに
エクスクラメーション
が来た
地球が青いのは
万物の嘆きゆえのことだ
どんなに小さなため息も
地球の青を構成している
何度も何度も重ね合おうとしては
へんてこりんな赤ん坊がやってきては
いつもぜんぶをぐちゃぐちゃにした
頭をぶつけてばかりいると
エクスクラメーションが
ふにゃふにゃしてくる
僕はいつしかただのクエスチョンになる
このままただのクエスチョンになる
誰もエクスクラメーションだったことにも気づかないまま
答えなんてないただのクエスチョンになる
ひたすらもちこたえているだけの
引っ剥がされて錆びていくだけの
むしり取られて枯れてくだけの
必死で守り抜いたつもりだけの
ただそつないだけの
さもきれいなだけの
真偽不明な
形だけの
空虚で
単純な
嘘の
?
コメント
簡潔で便利で時に強迫的な記号だと認識しながら生活しています。
ため息が構成要素という概念が一際美しく。
テキストの配置がエクスクメーションになっているのですよね。
@たちばなまこと
さん、ありがとうございます。
その昔、バイオリズムが下がりながら書いた記憶とともに、たちまこさんのコメントを読んで、もっとビジュアルくらい徹底してエクスクラメーションにしたら良かったなぁと思いました。
確かに、記号って要注意ですよね。
あぶくもさん、こんばんは。
すごくユーモアとペーソスの配合が素敵な作品ですね。
「頭をぶつけてばかりいると
エクスクラメーションが
ふにゃふにゃしてくる」というところには、
何だかとても共感してしまいました。
そしてタイトルも素敵です。
ロマンチックなbastardって
つまりはきっと、愛すべき人ですね。
@草野まこと
さん、ありがとうございます。
そこそこ若い頃に書いたものですが、まさにその頃のペーソスが溢れているなぁと言われてみて感じます。配合は後半たたみかけるようにペーソス多めでしたね。愛すべきbastard…目指すものができました。
疑問符と感嘆符と呼んでました、笑。滑舌が悪い人には、どちらも要注意なんで。
@timoleon
さん、なるほどですねー。
単一引用符、二重引用符とかもですね。
ト音記号やヘ音記号なんかも不思議な単語ですね。
この詩を拝読して、正直さのある詩行だなあ、と感じます。すてき。
どんなに小さなため息も
地球の青を構成している
いろいろといいのですが、ここが特に好きです。
@こしごえ
さん、ありがとうございます。
今さらですが、正直者がバカを見ない世の中になればいいのにな、の、あぶくもです!
忘れかけていますが、「地球の青」の部分からこの詩ができたのだったかしら。冒頭と別個にできて組み合わせたんだったか…うーん、どうだったかなぁ。
そこ、好きと言ってもらえて素直に嬉しいです。
…上手く言えないのですが、世界の、あるいは物事の根本の部分が炙り出されたような、不思議な読後感が残りました。「ひたすらもちこたえているだけの」から最後の「?」まで、たたみかけるような展開が効いていますね。
@長谷川 忍
さん、ありがとうございます。
その後半部分は実は書いていた当時、作者の意思とは無関係な感じであれよあれよという間に「?」まで書かされてしまったような不思議な感覚だったことを覚えています。ですので、感じていただいた不思議な読後感はもちろん嬉しくも、そんな影響があるのかも知れませんね。