021

021

蕾の中の馬鹿野郎を
堪え切れずにぶちまけた

いきなり咲いてしまった自分に
驚きながらも
玄関のドアを破って出ていった衝動を
追いかける

慌ててつっかけたコンバースには
行先など知る由もなかった

あちっ

未だに火傷する記憶

青かったねえ

苦笑いしながら

小さな蕾をいくつか隠し持っていることは
おそらく誰も知らない

くたばらない限り
いつでも咲けるとほくそ笑みながらも

それでも
それでも

あんな咲き方は二度とできない

投稿者

東京都

コメント

  1. ゴールデンウイーク中に、旧古河庭園の薔薇を観に行きました。その薔薇を思い出しつつ、読みました。
    2連目に惹かれました。いきなり、咲く。人の生になぞらえてみました。盛りというのでしょうか。咲き方は、さまざまです。

  2. 最後の一行が効いています。

  3. @長谷川 忍 さん
    >コメントありがとうございます
    この花は旧古河庭園のバラ園中央にあったバラタワーの一部です。
    人は多彩な蕾をたくさん抱えて生きているのだと思います。

    準備周到に咲かせようとする人がいれば、うっかり咲かせてしまう人もいる。
    本当に咲き方はさまざまですね。

    @宮永 蕗 さん
    >コメントありがとうございます
    最後の一行から書き始めました。
    いろいろ思い出しては火傷ばかりしています(笑)

  4. 咲くということにはエネルギーが沢山要りますね。
    この詩の語り方に勢いがあって おもしろいです。

  5. @こしごえ さん
    >コメントありがとうございます
    若い頃はエネルギーに満ち溢れていたんですけどね(笑)
    今はどう頑張ってもしょぼい花しか咲きません。
    うっかり枯れてしまわないように頑張ります!

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