宝もの

染色体が一本多い周が 
生まれて半年が過ぎた 
ある夜の夫婦の会話で 
まだ、りゅういん、が落ちないと妻は言う 

りゅういん、が体の何処に
ぶらさがっているものか知らないが 
りゅういん、を無理に
削ぎ落とすのではなく 
りゅういん、に
この手をそっと当て 
不思議な色に変わるのを、僕は見たい 

悩める妻よ
周の可愛い可愛い寝顔をみつめる時 
僕等を両親として 
何処か遠い国から会いに来た周が 
すやすや寝ている夢の中に、視えるのだ 

世界にたった一人である周の 
いのちの輝きそのものが

投稿者

東京都

コメント

  1. あまり言葉にはできないですが、親になると思うところはたくさんあります、その先も希望で照らして欲しいと思います。

  2. 2連目、作者のすてきなお人柄、そして色が見えて、いいですね。

  3. ティモさん

    ありがとうございます。

    その先、は確かに大事なテーマで、息子の肯定面を思い、改めて親として今感じることに意識を向けたいです。

  4. たちまこさん

    ありがとうございます。

    息子の障がいを受け入れつつ、この出来事には深い意味がある、という直観がありました。

  5. りゅういん、とひらがなで表現されたところに、作者の人間力を感じました。2連目、いいですね。「不思議な色に変わるのを、僕は見たい」

  6. この詩の肝は2連なので、嬉しいお言葉です。 書いている時の感覚で、ひらがなになりました(^^)

  7. 剛さん、こんにちは。この詩の題名「宝もの」と「りゅういん、を無理に/削ぎ落とすのではなく/りゅういん、に/この手をそっと当て/不思議な色に変わるのを、僕は見たい」「世界にたった一人である周の/ いのちの輝きそのものが」というところが特にすてきです。

  8. その3つの箇所がこの詩を成り立たせていると、感想を読んで思いました。

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