夏至
暮れることのない日々
差し続ける光
ぬるい肉片のような
そんな時間に入ってみる
人々のざわめく繁華街の路上で
勤務先のオフィスの硝子窓を通して
偶然見つけた下町の路地裏で
小さな名画座の席に座って
いつのまにか夏至を過ぎてしまった
私は、どこにもいない。
暮れることのない日々
差し続ける光
ぬるい肉片のような
そんな時間に入ってみる
人々のざわめく繁華街の路上で
勤務先のオフィスの硝子窓を通して
偶然見つけた下町の路地裏で
小さな名画座の席に座って
いつのまにか夏至を過ぎてしまった
私は、どこにもいない。
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コメント
ぬるい肉片という不穏な始まりから最後の最後まで、不思議なんですが、のっぴきならない寂寥感のようなものに取り囲まれたしまいました。自分が時折感じる何かと過剰に呼応したようです。
@あぶくも
あぶくもさん、夏至フェチ?といいますか、夏至は、身体が過敏に反応してしまうところがあります。ゾワゾワします。夏至と、白夜を、ダブらせて書いてみました。寂寥感も意識したかもしれません。
最後の、句読点のある一行が生きてますね。
@足立らどみ
足立さん、不在感というものを意識してみました。…もう、ここにはいない。日々のさ中で、ふっと感じることがあります。
最後の独白のような終わり方が素敵です。
白昼夢に一人取り残されるような、孤独感がすごくリアルでした。
@ザイチ
ザイチさん、白昼夢というのはよくわかります。たしかに、白昼夢かもしれませんね。夏至って、さまざまな想像がふくらみます。
そんな時間に入ってみる
ここがとても気になります。タイトルに夏至とありますが、恥ずかしい話、ここ一年で季節や草花などが気になるようになりました。
そんな時間に入ってゆけるのも、詩のちいさな側面なのかもしれない、などと暑さに耽っています。
コメント失礼しました。
@ぺけねこ
ぺけねこさん、ありがとうございます。季節には敏感でいたい、と思っています。時間に入る。…時間に誘われるような感覚があったかもしれません。この頃咲く半夏生という花が好きです。つぶつぶの、白い花。