玄き天より
生まれし一雫
枝先の葉に落つ
それは葉上の水滴と
一つになって流れ
葉から離れる時
二つに分かれて
次の葉に落つ

村雨

結合と分裂を
繰り返しながら
葉から葉へと
移り行き
そして
黄なる大地へ
飛び込む

枝下には
多くの鬼が
大きな口を開けて
待ち受けている

狭門の際に立ちし時
わたしは
母なる自然へ
帰れるのでしょうか
飢えたる鬼に
飲み込まれるのでしょうか

落つ

跳ぬ

投稿者

兵庫県

コメント

  1. こんにちは。
    とても静粛な…雰囲気の漂います、こちらの作品を拝読させていただきまして、
    わたくしの感想としてお伝え出来ることは何なのだろうか?などと、頭で考えて
    しまうと、この作品は味わえなくなってしまうのではないかと思いました。

     例えば、…お寺参りで友人と連れだって、お線香と畳のにおいのする本堂に
    坐り、手を合わせます時に、むずかしいことなど考えません。ただ、心静かに
    そこに自ら在るだけ。この詩には、そういったイメージが感じられます。

     最初に思いましたのは、まるで仏教画を目にするようだな…と、それ
    だけでした。
     煩悩!…。矛盾や葛藤にさいなまれる人間のすがたへの…深く優しい
    語りかけの作品だと感じました。これは、わたくしの感想であります。
     わたくしが灯しました本堂の蝋燭が一本、燃え切りましたので、(笑)
    これで失礼を致します。素晴らしい、作品をどうも有難う御座いました。
    m(_ _)m
     

  2. リリーさん

    コメントありがとうございます。
    そんな大それたものでは無いですよ。
    仏教画なんて、小っ恥ずかしい限りです。でも純粋に、お言葉頂戴致します。
    私の葛藤の物語なのですが、人はみんな同じなんだろうと思います。
    本堂の蝋燭が一本燃え切ったそうですので、取り替えて灯しておきます。
    私は跳ねたい。

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