机上の雪

今日も雪がふっています。
ハラハラとふっています。
ふり積もろうとするそれを
手の甲でちょいと
あるいはふるえる息で
はらってやります。
そうするとまた
ハラハラとふってゆきます。

窓の外 眺めれば
猫を降らせたり
核爆弾を落としたり
ハラハラしたりせずに済むのですが
ぎゅうぎゅう詰めこまれてしまって
ぎょろぎょろ目んたまがこわくって
とてもじゃないが、顔をあげられないのです。

そうして ハラハラとふらせていると
たまに塊もふってくるので
それをシャープペンシルの先っちょで
トン トン ボリ
トン トン ボリ とやってしまう。
すると 雪が声をかけてくれるのです。
どうしたの と
しかしぼくは 顔をあげられない。
顔をあげられなかったのです。

そうやって また
トン トン ガリ
トン トン ガリ といつまでもやってしまう。
みぞれが数滴 混じっているのは
今日ではなく
明日のことでした。
けれど そう遠くもないようなのです。
 
 

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