どいつどどいつどどいつどいつ

降り立ってすぐ
建築物の
価値も漂う
列車駅

プレッツェルから
クロワッサンと
巷のパン屋
あなどれぬ

そんなに食うか
ウィンドウ越し
人形並ぶ
くるみ割り

ステンドグラス
パイプオルガン
荘厳な空
ドムの鐘

夜の路地裏
街灯照らす
陰翳見事
石畳

ゲルマンの血を
引いているのか
屈強な顔
現地パグ

ぎっしり刺さる
細長グラス
親父強要
飲むケルシュ

ザワークラウト
つまんでいたら
頼んでもない
二杯目が

脳裏に浮かぶ
同じシステム
亀戸餃子
膝を打つ

幾多の種類
トッピングあり
ポテトポテトで
腹ふくる

ライン川沿い
ずらりと並ぶ
日曜の朝
蚤の市

カルマンギアの
ミニカーを手に
買いもしないで
悦に入る

フェンス彩る
南京錠の
解けぬ誓い
愛の鍵

路面電車と
かけっこ散歩
ヒロシマナガサキ
公園へ

折鶴石碑
緑の中に
ひとり佇む
老人が

椅子に腰掛け
書物を開き
時間を過ごす
飽きもせず

どいつどどいつ
どどいつどいつ
老後の暮らし
絵になる日

投稿者

千葉県

コメント

  1. 旅の詩は写真以上にリアルな思い出になりますね。

  2. @たかぼ
    さん、コメントありがとうございます。
    そうですね、もう7年前程になりますが、ケルン出張があった際に最後の1日だけの自由時間を詩(都々逸?)に閉じ込めました。まさに旅日記ですね。

  3. 楽しいです!
    上手だなあ…ってしみじみもしました。
    亀戸餃子のシステムが気になりました。
    ググってきますわ。

  4. @たちばなまこと
    さん、コメントありがとうございます。
    ケルシュも亀戸餃子も「頼んでもないのに勝手におじさんが運んでくる」システムです。亀戸餃子はデフォルト2皿ですが、ケルシュは確かストップかけるまで止まらなかったような…

  5. この詩を拝読して、各連の調べがすてきだと感じます。
    ステンドグラス
    パイプオルガン
    荘厳な空
    ドムの鐘

    夜の路地裏
    街灯照らす
    陰翳見事
    石畳

    折鶴石碑
    緑の中に
    ひとり佇む
    老人が
    が特に好きです。

  6. @こしごえ
    さん、コメントありがとうございます。
    好きな箇所、伝えてくれて嬉しいです。
    ケルンの大聖堂は外からも中からも素敵でした。私もヒロシマナガサキ公園にいた老人のようになりたいな。

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