夏
ときどき
表になったり
裏になったりして
私を呼んでいる。
お気に入りの
青いワンピース姿
しきりに挑発するけれど
女子になったり
熟女になったり
実態がつかめないぞ。
一度
齢をそっと尋ねたことがある。
…そうだよね。
夏が
裏になったり
表になったりする
まあ、わからぬでもない
私も同じだから。
新御徒町からすぐの
佐竹秋葉神社がお気に入り
一緒に参拝に出かける
手を清め
柏手を打つ。
このあたりに住んでみたい
私を誘う
セカンドハウスを持てる身分じゃないよ
じっと睨む。
もう!
そのまま路地に入り込み
記憶に戻っている。
しょうがないなあ
一緒に、戻る
一九七〇年代頃まで。
やっぱり夏。
青いワンピース姿
上目遣いで私を睨んでいる
古い写真を、見つけた。
コメント
今朝、目覚めたときに
「さあ祭りだ」
と
声を出している自分
に驚いて
最近繰り返してみている
しかし
詳細を思い出せないでいる夢を
また、忘れてしまった自分への
老人力というか人間力ににやり
と
なってしまったところで
この長谷川忍さんの作品を読んで
夏だな
と
暑いですね
思った次第。
へんてこコメントごめん
@足立らどみ
足立さん、夏は、苦みというか、切なさが戻ってきます。過去と、現実と、苦みと、感傷と、…その他もろもろ、混ぜ込んだら、こんな詩になりました。人間力は大事ですね。そこそこ生きてきて、実感します。
この詩の話者にとって、夏と青いワンピース姿のひとの存在は特別な存在なんだと思われる詩行。
ときどき
表になったり
裏になったりして
そう、ときどきですね。ときどきどき。
古い写真も効いていますね。すてき。
確かに表になったり裏になったりして
夏はしつこく誘ってくるものですね。
決して重くならず、すらすらと夏をいなしている
長谷川さんの感性が羨ましいです。
佐竹秋葉神社のあたりにこっそりいってみようかなあ(笑)
直球なタイトルできたなぁと思った矢先、
「ときどき
表になったり
裏になったりして」
の出だしでもう掴まれました。
素敵なひととの記憶や夢うつつを行き来する様を心地よく描かれていて、心涼みました。
@こしごえ
こしごえさん、季節にも、人にも、裏表がありますね。もしかしたら、記憶にもあるのかな、などと想っています。青いワンピース姿。…記憶の裏表は、ちょっと切ないかな。
@nonya
nonyaさん、ライト風味でまとめてみたい、という気持ちはありました。…感傷ですね。佐竹秋葉神社、町中の、ちいさな神社です。こっそり参拝します。(笑)
@あぶくも
あぶくもさん、タイトルは、迷ったのですが、直球でいくことにしました。夏は、感傷が湧き上がってきますね。過去と現在、現実と虚構、夢うつつ…。想いが交錯しながら、もうすぐ立秋を迎えます。
青いワンピースが鮮明です。
写真を見つけたときって、強烈に懐かしさがよみがえりますね。
新鮮な瞬間にもう戻れないもどかしさと、今ある時を経た年輪の両方から
忘れがたくて恋しい思いを感じました。
@ザイチ
ザイチさん、
新鮮な瞬間にもう戻れないもどかしさと、今ある時を経た年輪の両方から
まさに、その通りです。
彼女は、記憶であり、思い出であり、写真…
私は、歳月を経て、なお現在を生きている。
青いワンピースは、
個人的な思い出も混じっております。
m(–)m