観音なな光

貴様は
よく吠える
スピッツ
牙失くし
もう
にゃー
としか鳴けない

燃え尽きる運命の
蝋燭照らす
般若の顔でご開帳
ツァラ観音

黙って
聞きたまえ諸君！
あの鳥が魚に恋をする

散るも咲くも同じ樹の枝
昼間の這う
キャタピラーに
虫酸が走る

片足立ちの
ダダ犬
ブランコに佇む
あの猫を見ろ

象の背で
シエスタ
鼻先の笑顔
軽業猫

知らないふりして
生きるふり
その横な
行動様式は
とても
漁師達には
不可能に近い
滑落の渦潮

枯れ行く
生芽の萌え
誰の為に
錆びた釘を
打つ

泣く事のない
土佐の闘犬
横綱
桂浜で
涙

あの鳥が
魚に恋を
じっと見ていた
かった
ただ
それだけ
だった
からなのに

七色の砕色
観音なな光