橋
給料日には近所の台湾ラーメンがうまい店へ
一人立ち寄り
胃袋がびっくりする辛さを満喫
そしてデザートは自宅近くのファミマで
カップアイスクリームのバニラを味わう
ちょっと、洗濯物入れといてよ!リュウちゃん塾行ってんにゃからぁ。
あんた冷蔵庫のパパの分の焼きプリン食べていいから!すぐに、帰るしね。
フードコーナーに響く シャキシャキした声色
セルフ形式のコーヒーメーカーから持って来た紙コップ片手に
スマホをジーパンの尻ポケットへ突っ込んだ彼女
その一杯をキュッと 飲み干し出て行く
左腕には重そうなエコバッグ提げて
ななっ、見てみい!このガリガリ君、アレルゲンにリンゴあるねんで。
林檎!あ、それでマユミ、ガリガリ君嫌いなんやろか?
そんっな、筈ないやろぉ!
コーナーの奥まった席で談笑する女子高生
マスコット人形でにぎわう黒いリュックと
型崩れしてロゴも褪せたスポーツバッグ
ショートヘヤに日焼けした笑顔が眩しくて
食べ終えたワタシの あいすくりーむ
ふと 待つ人居ない部屋へ真っすぐに帰りたくなくなった
湖畔までフラリ足を向ける
その時刻、ちょうど遠い橋が
灯をともし
一瞬にして連なる灯は
湖面と空を ばっさり断ち切った
弧を暮れがてに沈めた橋は
ともる灯で
半ば沈んだ廃船のように見えてしまい
ああ
あのまま沈みこんでしまえば
きれいだったのに、な
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