炭酸
雑居ビルからの反射光が背中を焼く
乾涸びたコンクリートの上で
踊る神様 溺れる小人
空間のざわめきを喉の奥が感じている
カラ 空 カララ
電波混じりの日常を
反実仮想のテレビが笑っている
乾いた身体が求めているのは
瘴気を含んだ炭酸の刺激
アワ 泡 アワワ
こうして頭は回転軸を失い
視界に挟っていくサブリミナルを
一つ一つ押し潰す 金色の蝶
弾け飛ぶように舞い上がる
クル 狂 クルル
[TONOMOTOSHO Rebirth Project No.017: Title by ゆきる]
コメント
どこか懐かしいような感覚です。不思議と。
一行一行から炭酸のような刺激を受けます。どこかさびしいような、しかし何というか夏の声を感じます。すてき。
音楽の「楽」が、詩にも表れている感じがします。
焦燥と諦めと賢者モードのような感覚が残りました
大覚さんの詩を読んでた時は夢も現もリアルかもしれず、うつつを抜かしたいなぁなどと思っていたが、この実体感は実言うともはや電脳の世の出来事かもしれず、うつつを抜かしてる場合じゃなく不感化手術が必要かもしれないなあ。