冬の華

 雪の降りかかるままに
 歩きましょうね
 盛り場の よるを

 あなたって
 良い人なのね
 でも 名さえ知らない

 街の角 ネオンの下で
 装って笑う女は ふと呟くのです

  雪のふる
  はるかな国の
  果てない広野に
  心を埋めてこよう

  未練や
  しっとばかりが
  赤黒く燃えさかる
  心を埋めてこよう

  凍える指に
  空の彼方を
  しっかり指さし
  ぬけがらの
  わたしをいたわって
  ほのぼのと暖かい涙を流そう

     ❄︎

 ゆきの ふる

 ネオンの下を

 明るく生き生きと歩く女の笑いが

 遠い 阿寒湖に咲く冬の華
 の、穏やかな 悲しみの様であるとは
 誰も知らない事だった

投稿者

滋賀県

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