てんで、てんで、てんで。

屋敷では水があふれていた
それはあのひとが茶を点てるというからだ
ユーカラのような卑猥さで
なめとこ山の雪が降り
キャデラックの甘いタイヤにまとわりついて
廊下の端からはじまって
炭俵のうえにまで水はあふれているのです
薬剤師の兄さんが、かたつむりの殻をつぶさぬように
コリントスのジャムパンを神殿深く奉納しましょう
ヤスパースの理解可能な論理のように
ひもろぎは風に吹かれて波立つでしよう
最深感度の深宇宙層へ、君も行くでしょう
トルコの楽団の行進曲がたたみの部屋に流れて来ると
水はますます溢れ出て来て
屋敷の外にまで流れ出しています
やがては日本列島のすみからすみまで
黄色い花で埋まっていますよ、そして
そのような歴史のひとつの瞬間に目覚めている
このわたしは
てんで、てんで、てんで。

投稿者

岡山県

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