岡崎くんの思い出

岡崎くんの思い出

人は生きている限り、誰もが成功者である。
社会的に成功するということは、社会の扉を開けて、子供を作り、養育義務を果たせるようになるということだ。子供を作れば自分の人生が終わるのだから、成功は新たなる不幸の始まりでもある。

大人になるということは、みんなと仲良くすることを諦めることから始まる。
岡崎に一人の女性が告白しに行く。岡崎が断る。友達と仲良くやっている方が楽しい。

岡崎は久しぶりに会うと、僕と目を合わせず暗い顔をする。
恋人もいないのだろう。
女の水着のポスターを部屋に貼っても、大人になることも出来ない。
単純に頭が悪過ぎて、大学に入れなかったんだろう。
考える力はひとつも無い。僕と目を合わせられるわけがない。
ゲームソフトを探していたみたいだ。
社会的成功を手に入れる前から、みんなと仲良くすることを諦めてしまい不登校を選んだ人間。それが彼がなりたくてもなれない大人の視点を持った人間だと悟ったのだろう。
目を逸らすな、刮目せよ! これが、君がなりたくてもなれなかった本物の大人である。
猿のような笑い声は、もう今は止み、羊の項垂れと化したに違いない。

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