物思いの午後

秋の空は青く
水彩画のような雲がゆっくりと流れる
静かなギターのBGMを聴きながら
やりかけの仕事は、パソコンを開いたまま
なかなかはかどらず
ぼんやりと窓からの景色を眺めながら
あなたとのやり取りを思い出している

そこに変わらない何かがあるわけではなく
私たちはただの現象
どこかに向かっているわけでもなく
波間に漂う 流木のように
どこに辿り着くのかわからないまま

欲しいものを求め、形ある何者かになろうと
生きてきた
そういう時代だった

だが形あるものはいつか壊れる
その時に残ったものが
きっと大切なものなのだろう

今度あなたに会ったら
聴いてみよう
あなたの
大切なものは何ですか

投稿者

東京都

コメント

  1.  拝読させていただきまして、ああ…ayami 様らしいなぁ!真摯で、
    すてきな秋の詩だと、思いました。
     再読しながら、そこに話者がいてくれることで、自分へ…静かに
    問いかけてみる事が出来ます。タイトルが、すごく生きていて
    「好きだなぁ〜ッ!」と、感じました。投稿くださって、どうも
    ありがとうございました。(o^^o)ゞ

  2. @リリー様
    コメントありがとうございました(^^) 私らしいというコメント、嬉しいです。物思いに耽るのに良い季節になってきました。8月は暑さの中、日々を過ごすのに精一杯で、やっと少し、日々の思いを言葉にする時間がとれました。季節とともに自分も少しずつ変化していくのを感じながら、自分の心の奥を探りつつ、詩を書く時間も大切にしたいものです。話しかけるように書くことで、視点が変わり、読み手が自分に問いかけてみる詩になりますね。参考になりました^ ^

  3. 最終連に救われました。

    頑張って生きている生きてきた市井の人達も現象だと悲し過ぎて
    最後まで読みおえる前に泣き崩れてしまうのではないかと思って
    「輪郭のあるはず」のあなたが最終連に出てきてほっとしました。

  4. @足立らどみ
    貴重なコメントありがとうございます。悲しい気持ちにさせてしまい、すみません。
    少しシニカルな感じで書いてしまいました。
    でも姿形は消えてしまっても、大切なものは人々の心の中に残ると信じております。
    その人が大切にしているものは、生きてきた証みたいなものかもしれないなあと思いました。

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