白猫
眠たい白猫が誘う
チョコレートコスモスを頂戴
瓦礫と廃墟の世界で
チヨコレイトと叫んでみる
繰り返される言葉の狭間で僕らは何億回のキスを送ればいいのだろう
終わらないまだ終わらない夏を
錯覚と答えればいいのだろうか
さもなくば全て沼の中トプトプ
またはチャプチャプ
足を取られないように気をつけて
透明な雪が夏であったように薄靄の雨が降る、降る時、降れば
もうすぐ秋だと蜻蛉は言うけれどまだ暑くて朝晩は少し涼しくなってきたけれど
ほうら見て猫が蜻蛉を追いかける
ヒュルリラ飛んでどこ行く風よ
石の影、水の底
潜む魚の鱗が光る
ギラリギラリ
まるで猫の目みたいに
目頭を押さえる眠れていない理由なんてないただ夜行性なだけ
眠たい白猫が誘う
あなたが落としたのはこの銀の鈴?
それともこの金の鈴?
そんなことよりチョコレートコスモスを頂戴
くれたらあなたの望みを叶えてあげるわ
猫は首輪にチョコレートコスモスを飾りたいだけほんの思いつき
我儘な白猫の言うことを聞いてはいけない
爪を立てられる前にさあ引き返せ
だけど猫は言う
何でも叶えてあげる
ほら、頂戴?
コメント
ほとんどは可能性である季節、真剣に跳びあがり、じゃれつこうとする猫は、キャットとする、流れるままに飛び跳ねるものは、それ全体が、まるで詩のような、季節のほころび。すくなくともピュアである白。
@坂本達雄
感想をありがとうございました。
白猫は自由に飛び跳ねます。誰にも捕まらず。時もまた自由であり、季節が巡ります。白猫のように、詩も自由でありたいですね。