帰り道

きっと、歌が好きなのではない

歌は好きだ、だけど
帰り道で歌う歌は
そういう理由だからじゃない

さみしいからだろうな
一人でいるのが

歌うことで、さみしさを
少しでも和らげたいから
口ずさむのだろう

帰り道に、一人ぼっちで
虫の鳴き声と風の音と
自分の足音だけが響くのは
華がないから、歌うのだ

どんな歌でもいい
悲しい歌でも楽しい歌でも
そのとき、思いついて歌えば
どんな歌でも、満足できる

口ずさむ歌は
いつもいつも、孤独で
知らないうちに
どこかに消えて行ってしまう

投稿者

コメント

  1. 知らないうちにどこかに消えていってしまう孤独な歌は、儚い命のようです。

  2. @たけだたもつ
    お言葉ありがとうございます。
    その孤独な歌が、いつかどこかで誰かの耳にとまったとき、命の灯はより燃え上がるのでしょう。
    夢はいつも人が追いかけては消えゆく、子供の心のように思います。

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