憂鬱のA&B
あいつはふとしたときに現れる
僕の隙をつくみたいにやってくる
雨が降りしきる夜中に
便器から逆流して来たみたいに
愛想つかした顔で無視していると
倍増しては押し寄せる
ふぁっきねー
さのばびー
あれだけの膨大な詩のかたまりみたいな歌だから
ボブはフォークでもロックでもそんなことどうでも良かったんだよなきっと
あんな天に向けたような言葉のマシンガンなら
ぶっ放してみたかったな僕も
あしたからまたくだらない時間を能面みたいな顔で過ごすのか?
ぶつくさ言ってないで今夜はもう寝ちまおう
ふぁっきねー
さのばびー
愛情はもつれにもつれ責苦を感じながら
侮辱され続けてるような気がするのかい?
悪徳の栄えを目の当たりにして
暴力に抗うだけで精一杯とでも言いたげな
愛の言葉も愛あればこそ
罵倒に変わるんだ何もかも
ふぁっきねー
さのばびー
あいつの口癖を思い出す
バカ騒ぎしては連発してたっけか
頭埋めて覗き込む間抜けな顔は見えない
box box box box 濡れたbox 滴るbox
開けられるもんなら開けてみなよ
亡霊が出てくるかも知れないぜ
ふぁっきねー
さのばびー
足がもつれるほどに記憶も飛んで
ベロベロに酔っぱらってしまった
暑さのせいでおかしくなってしまったけれど
別にそんな話がしたいんじゃない
all in all is all we areってどういう意味だよ
black, white, yellow and red onesってどういう意味だよ
アルベルト(アインシュタイン)があっさりと解く
ボードレールが紡ぎ紡ぎ紡いだものを
握手しながらもう片方の手で
ぶん殴るようなバーリトゥード
ふぁっきねー
さのばびー
飽きた飽きたもう飽き飽きだ
僕をひとりにしてくれないかとにかくひとりにしてくれないかひとりに
赤ん坊の軍隊が列をなして這ってくる
防弾チョッキを着てるんだ何でだよ
嗚呼 思い出す思い出す思い出す
バイバイ バイバイ バイバイ
ふぁっきねー
さのばびー
ふぁっきねー
さのばびー
コメント
この詩を拝読して、憂鬱さがあふれているように感じます。うむ。
僕をひとりにしてくれないかとにかくひとりにしてくれないかひとりに、というところにこころ打たれました。
憂鬱は、時々やってくるお知らせみたいなものですね。自分ばかりになってますよ、そこ(あなたの心の中や見つめる先)に自分以外の人はいますか?と問うてくる遣い。
ともすれば、「ひとりにしてくれないか」と思うその思いこそが憂鬱の正体だったりもするんでしょうね。
少しでも感じてもらえるところがあって嬉しいです。
タイトルにこだわっちゃうんですが、AとBってなんだろうと読んでいました、アルベルト、ボブディラン、はたまたボードレール?アルコール?暴力? 握手しながらバーリトゥードが良かったです。
ボードレール氏は「神は君臨するために存在すら必要としない唯一のもの」と言った。
アインシュタイン氏は「神は絶対にサイコロを振らない」と言った。
カート・コバーン氏は「どうすりゃよかったんだろう?すまなかった」と言い、
ジョン氏は「おめでとう。みんなが望んで今戦争が終わるんだ」
そしてあぶくも氏は「飽き飽きだ。もうひとりにしてくれないかひとりに」と言う。
そして僕は「存在すらしないんじゃ、サイコロはそりゃ振れないね」と思った。
> てぃもさん
頭文字がすべてAとBで交互になってるのでは?
あと、
Fuckin’ asshole=ファッキンA=ふぁっきねー
Son of a bitch=サノバB=さのばびー
なのかと思って読んだ。
トノ様
あ!ほんとだ、気づかなかったです、
爆!ありがとうございます。
>てぃもさん
>トノモトショウさん
ご明察〜。憂鬱の要因となるモノゴト、脳内会話のあれやこれやのAやBを、
各行頭文字で使用しつつも、それらを
Fuckin’ AのA
Son of a bitchのB
で、前後逆転させてぶった斬る、という構造ですね。
>王殺しさん
ボードレールとアインシュタインの神にまつわる発言の高尚な考察からの、カートの件はウケました
そこは「I’m so ugly, but it’s ok ‘cause so are you」としたいところです。
因みに私自身は、神は八百万の神として森羅万象に内在すると信じますので、
だから全員でサイコロ振っちゃダメよ、ダメダメ派です。
うまく言えないけれど、言葉を詩(うた)っている感じです。
剛さん、そう感じてもらえて嬉しいです。
おっしゃる通り、ポエるのにも耐えうる音の響きやリズムを意識したつもりではおりました。憂鬱をポエる気持ちはありませんが…。
語感がよくって、リーディングしてみたい!と思いました。
まことさん、ありがとうございます
そんな風に感じてもらえて嬉しいです。