赤い灯
サルビアの花の群が
一とき 輝くのを知った
それは夕暮が
しのびやかに訪れる時
あなたの手も触れぬ愛撫が
激しく私を襲っていた
細い目がふと閉じられて
薄い唇が きつく噛みしめられた
それだけで良かった
夢の様に 大切にして
一人でも生きて行けると確信した
紅いサルビアの花の群の中に
私の全てのものを昇華させた
そして掌に 握りしめている
残った愛だけが 痛い
あのテレビ塔の赤い一つの灯が
涙に にじんだ
けれども誰も知らない
寄り添っているあなたさえ知らない
コメント
何と雰囲気のある詩なのでしょう。2連目のあなたと最終連のあなたを思って、残った愛の痛さを感じてみました。
@あぶくも
様へ
どうもありがとうございます!(o^^o)ゞ お寄せくださいました
コメントのお言葉、たいへん嬉しく光栄に思います。
赤いサルビアの花言葉「燃える想い」、そして「スカーレット セージ」の
ギリシャ神話と関係のある悲しい話にちなんで、しみじみ…書いてみました。
半分ノンフィクションの世界です。