愛おしい
あなたを音にする
わたしも音になる
狭いけれど
小さく響き合う
梨の実のように
透きとおった瞼に
指先で触れてみる
それだけでもう
抱きしめている
古い通り
澄んだ廃屋
団地を吹き抜ける
風の結び目
すべては雫
あなたと一緒に知っている
いくつかのこと
どうでもよいくらいに
わたしたちの大切なもの
汗ばんだあなたの皮膚で
目覚める朝がある
体温と湿度で満たされていく
とてもありふれて
愛おしいけれど
思いはいつも
わたしの皮膚のところで
行き止まりになる
コメント
気が遠くなるほどロマンティック。
@大覚アキラ
アキラさん、コメントありがとうございます。ロマンティック、ありがたくいただきます。欲しかった一言です。
ロマンチック。
@花巻まりか
花巻まりかさん、コメントありがとうございます。
ロマンティックが増殖しておる！
梨の実のくだりなんて特に、おう…！ってなりました。
梨の実の余韻が自分の中では響きながら読み上げました。
@たちばなまこと
たちばなまことさん、コメントありがとうございます。
特に先も決めずに書き始めて何となく落ちていくところに着地しま感じです。言葉フェチ的には、梨の実、で良かったかもです。