タトゥー
合図
視線が
視線を
捉えて
足がつかないことに
気づく
溺れてしまう
深く
肌と肌
波のように優しく
ぶつかり
丸みを帯びる
指先で確かめる
雨が降り出して
あなたの肩に
とまっている燕が
濡れる
こっちへおいで
小さく
震えている
手のひらでそっと
つつんで
引き寄せる
こごえないように
あなたの大陸に
棲んでる
蛇が
舌の上を滑るように
渡ってくる
次の棲家を
探している
出たり
入ったりを
繰り返して
握りしめていた
千切れた花びらが
手のひらから
こぼれ落ちる
目を閉じて
もっと
深く
沈められていく
触れられない
届くはずがない場所に
光が差して
呪文を見つける
わたしがそれを唱えると
肌と肌は溶け合って
地続きになる
コメント
タトゥーって、ある次元・ある意味では、生きていますよね。
この詩では、そういう様子がよく出ていて すてきです。
私にも(少しですが、)刺青(しせい)があります。
なるほど…ある次元、ある意味では生きている…考えたことなかったから新鮮です。あると言われると見たくなります。