moon island
月
今夜はきれいに半分になって
水面に映る
もう半分と合わせれば
丸くなるね
そっと触りなよ
揺らさないように
この島には
風も吹いてないし
誰もいないし
花も咲いてないけど
ワインだけはあるから
ちょっと笑えるね
懲りないぼくたちは
こんなところで
何を待っているんだろう
月明りなんかじゃ見えない
瞳の奥にあるもの
見せあって
触れあって
確かめあって
ここにはもう
足りないものなんてない
目をとじて
胸の奥でひかる
月に
祈りなさい
コメント
この詩の島は、ふしぎな島ですね。果して、「何を待っているんだろう」。
月、には、「真実」という意味がある と、お坊さんの書いた本で見たことがあるような気がします。
この詩は、足るを知る、ですね。欠けるから満ちることも出来る、ですね。^^
目をとじて
胸の奥でひかる
月に
祈りなさい
祈らなければ ならない 現実も ありますね。うん。目をとじて 祈る 光景を目に浮かべました。それは美しい光景です。うん。
@こしごえ さん
>月、には、「真実」という意味がある
はい。水面に映るまやかしの月ではなく、
真理(本物の月)を求めよ、みたいな話ですね。
しかし、水面に映る月も、
ただのまやかしとは言い切れないように思いますし、
たとえまやかしであったとしても、別に良いのです。
自分にとってほんものと思える月が胸の奥で輝いていれば。
すてきです。
感じるもの(それは認識していなくても)が全てだと思うのです。
@たちばなまこと さん
真実(ほんとうのこと)なんて、
感じている、いま、ここ、にしかないので、
それを更新し続けて行くしかないと思うのです。
この島には
風も吹いてないし
誰もいないし
花も咲いてないけど
ワインだけはあるから
ちょっと笑えるね
このフレーズに惹かれました。
何もないけど、一緒にワイン飲んで無為の時間を共有して過ごす。
ある意味、濃密な空間で素敵だな…と思いました。
@渡 ひろこ さん
ありがとうございます。
何もないのに酒だけはあるという「おかしみ」と、
それを可笑しいと思って笑いあえる相手がいれば、
足りないものなんてないんですよね。