涙があふれてしかたがないから
眩しい今日に抗っていた
流れる雲がうつくしいから
校舎三階の廊下を歩きたくなかった
響く笑い声が素敵だから
夕方の満員電車には乗りたくなかった
隙間から覗く夕陽に胸を打たれるから
音楽の授業がきらいだった
ピアノの音色が琴線に触れるから
放課後の学校にはいたくなかった
青春の音が聞こえるから
雨の日は憂鬱だった
窓を打つ雨音が心地よいから
感動する映画がみれなかった
知らない誰かに救われるから
あなたに側にいてほしくなかった
涙があふれて、しかたがないから
コメント
登場するシーンや瑞々しい感性の表現と「XXだった、YYだから」と言う詩の型そのものを含めて、物悲しさの混じる青春をとても美しく表現されているなぁと思います。雨雫に濡れる窓の奥に虹を見ている写真も素敵ですね。