夜
午前0時 遠くをサイレンが蠢く
ばらばらになってゆく心の欠片を かき集めるように
息を潜めて まだ青いバナナを切り刻んで
ゆっくりとナイフを拭いた
犬がじっとわたしを見つめてる
仄暗い目で 心を覗き込むように
目を合わせれば 吸い込まれてしまう気がして
そっとドアを閉じた
ねえ 連れて行って わたしを
カーテンの向こう側 明けることのない夜へ
月の光が映し出す 影を潜ってそうっと
足音が鳴らない街へ 空っぽのデパートを通り過ぎて
鳥たちが眠る公園へ 冷たい海が見えてくるまで走り続けて
声を潜める時計塔の上に立ち 星たちに別れを告げる朝が来る前に
辿り着けるのならば
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