sayonara.com 31-40

　
31
わかったよ
本当はもうとっくに思い出してるよ
差し出された干し柿はとても甘く
　
　
　
32
ギルー　ギルー
僕はもう誰にも呼ばれないよ
アンダクェーとキジムナーは山原に消えたよ
　
　
　
33
パンドラパンドラって言いながら
ただ笑っていただけのあの日々に
手の届かない夢なんてなかった
　
　
　

34
変わってない景色などなにひとつないけれど
なにひとつ変わらなかった思いが
今、静かに散っている
　
　
　
35
君の街に雪が降っていることなんか知らない
それが君の心を優しく包み込むだろう
なんて思わない
　
　
　
36
そんな人達に
もう、いいのですよと言うのが
僕の仕事なのだけれど
　
　
　
37
Tokyo Tokyo
Bye Bye Tokyo
もう帰るよ　って
　
　
　
38
言葉は心を越えられないこと知っているのに
心が言葉を越えられないとうつむいてみる
それが、林檎のように沈んでゆく
　
　
　
39
きれいだったんやろなあ
と
毎年三度後悔している
　
　
　
40
問いかけられた言葉は
そこから先には進めない風景の中で
夕陽にさえ染まらずに
僕は今でもそれを噛み砕いている