室温15℃

秋がしんだ
冬にころされたみたいだ

わざとらしく音を立てて窓を叩く氷雨と強風は
俺を底のない不安に引きずり込む

2020年のカレンダーが床に広がった部屋で
体育座りをして耳を塞ぎ呼吸が浅くなる自分を押さえつける

金木犀を感じないまま11月を迎えた
社会では謙虚は必ずしも美徳ではないらしい
角を曲がったあの子は笑えているだろうか
勧められたインディーズバンドの曲は前奏が心臓の音みたいで
積み重なった請求書から目をそらした

もう夢は見ない 怖いのは夜か夜明けか

口ずさむ歌を探している
携える言葉を探している

直視できないニュースを胃に入れて部屋を出るために
真面目なふりをして生きる自分の名前を忘れないために

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